【 失せ物、出づ 】

おみくじ調で。
因みに「出づ」の「づ」はダ行下二段活用の動詞「出づ」の終止形で、未然形接続を行う否定の助動詞「ず」ではない。(超基礎古典)

▼「未だ、出てこない」意味で使いたいなら、「出ず(いでず)」と書くところだ。
# 何気なく使っている日本語も、ロジックは意外に難解だ。この数行でGoogle総動員して、10分かかったもの。

▼本題。
タイトル通り、今日は「出てきた」お話。
先週の結婚式のお呼ばれの時うっかりソレを「忘れて」行ったことで、新郎を始めとする周囲から総スカンを浴びた、ある物体。
実はその後、その所在自体をロストしていることに気付いた。
この10年、奇跡のように保持し続けたアレを、単刀直入に言うなら「失くしたらしい」事を認識した。

ヤバい。

しかしながら、たまたまアレを結婚式の前日、身に着けていた事ははっきりしていて、実家での皿洗い時に一度外して、また付け直している事も記憶に残っている。
当家の習慣として、帰宅時には外すところまでは容認されている。
各家庭の考え方だが、風呂でも、寝る時も、外さないおうちもあるようだ。

▼筆者の場合、外して無造作にポケットにしまう癖が悩みの種だ。
今回、記憶に残っている当日の衣類に10もないポケット全てを探ったが、ソレは出てこなかった。
外して置く場所もある程度決まってはいたが、どこにも無い。
家族の手前、平日の帰宅後、定位置からおっことしている可能性のあるソレを、あまり大っぴらに捜索隊を出す訳にもいかない。
そうこうしているうちに、3日経ち、5日経ち。

そろそろ、本気でヤバい。

と、思い始めた。
採るべき策は「買い直し」だが、全く同じモノが買えるかどうか自信が無い。
必死で探して、金で解決できる問題なら、まだ良い。とさえ思った。

▼土日をクリアした。
揃って出掛けることも無かったが、時間が経ち過ぎている。
もし先に拾われていたら・・・。
「最近、アナタ何か失くして無い？」とか聞かれたら・・・。
知ってて聞かずに、様子を見られていたら・・・。
とか思う度、生きた心地がしなかった。

幸い月曜に、会社で見つけた。
小銭入れに放り込んであったのを、思い出したのだ。


10日ぶりに身に着けた。
生き返った。


* 社内